2009.5.20 新型BR・BMレガシィ誕生!@

2009年5月20日、5世代目となる新しいBR,BM型レガシィが誕生。ちょっと間が空いてしまいましたが、発表直後に展示試乗会に足を運びましたので、その印象をレポート。

 新型レガシィには、「レガシィ誕生以来」ともいえる大きな変化がふたつあると思っていた。ひとつはエンジンの「クレードルマウント」化。そしてもうひとつは、トランスミッションの「リニアトロニックCVT」導入である。

BRレガシィと

ひとつ目の「クレードルマウント」については、発表前からメディアに取り上げられて話題になっていた技術で、「エンジンをゆりかごのようなフレームにマウントすることで、防振に効果がある」というような触れ込みだったと記憶しているのだが、詳細が分からない国内発表前の時点で考えていたことは、

   @ エンジンをマウントする専用のフレームがあれば、そのフレームでエンジンの
      ノイズ・バイブレーションを受け持つことができるため、防振/静粛性に効果
      がある。

   A エンジンのアクセル操作によって起こる動力モーメントや走行中外部からのピ
     ッチング/ローリング/ヨーイングなどの入力や、コーナリング中に強い慣性モ
     ーメントを受けた際にも、フレームをそうした入力に対するストレスメンバーとし
     て効果的に活用できるため、走りの質や性能の向上が見込める。

といったような2点。では従来のマウント方法はどうだったかというと・・・

BC5 レガシィ エンジンマウント/ミッションマウント位置

これはわが家の部品取りのBC5のもので、ちょっと汚いのは勘弁して頂くとして、写真のように、フロントの左右のフレームをつないでいるクロスメンバー上2点のエンジンマウントで、水平対向エンジンのオイルパン直後を支持。さらにその後ろのトランスミッションメンバーにミッションマウントを置いて支持するという、いわゆる「3点支持」方式。これに、ターボ車ではちょうどインタークーラーの真裏にあたる位置に、バルクヘッドとトランスミッション前端をつなぐ「ピッチングストッパー」があって、これがこれまでのスバルの水平対向エンジン搭載車のエンジンマウント方法だった訳である。

このマウント方式は実はあの「スバル1000」以来、スバリストにはおなじみの方式で、まず、1次、2次振動がそもそも直列エンジンより少ない水平対向エンジンの資質と、エンジンのクランク回転軸とトランスミッション〜トランスファー〜プロペラシャフト〜リヤデフまで回転軸が一致している「縦置きレイアウト」のメリット、ものの本にも「3点支持方法は、もっとも安定した支持方法である」などど書かれていて、それはそれで(強引に)納得はさせられていた(あるいは「していた」)フシはある。

で、新しいレガシィはどうなったのかというと・・・

 このフレーム上にエンジンをガッチリ固定してしまおう、というのである。

 もちろん、このフレームは、エンジンルーム両側に伸びるフレームに固定されている訳で、これで従来までエンジンという「重量物」を背負いながら、ステアリングラックまで保持していたフロントのクロスメンバーの負担は大幅に減って、より強固になったエンジンベイ全体で、冒頭のエンジンの回転モーメントを受け止めるということで、防振/静粛性に効果がある(だろう)。

新型 BM/BRレガシィ クレードルマウント

さらに、エンジン自体がきちんと支持されることで、急激なアクセルのオンオフや、ピッチング/ローリング/ヨーイング、慣性モーメントなどの急激な立ち上がりでも、エンジンがエンジンルーム内で暴れまわらずに、しっかりと生み出した動力をトランスミッションに伝えて、乗員に不快な振動やモーメントを伝えないという訳ですな。

 まあ、新型レガシィでそんな走り方する人はそうはいないだろうが、この「クレードルフレーム」の採用がなんとなく「走りの質」に一役買いそうだ、ということはお分かり頂けるのではないかと・・・。今回も富士重工業の技術陣はエンジニアリングの「王道」を突いてきたといえると思う。

2012.5.20 狂信的スバリスト レガシィ 2.0 GT DIT に乗る!

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