2012.5.20 レガシィ 2.0 GT DIT 誕生!A

この2ショット画像を見て、「これは DIT じゃないんじゃないの?」と気づいたあなたは鋭い。間違いなく立派な レガシィ通 です。

 これは新しいレガシィ ツーリングワゴン 2.5i Eyesight (クリスタルブラック・シリカ)で、装備内容は、ほぼ 2.5i L-Package と同等ながら、Eyesight の有無で、10万5000円 の価格差となっている。

 ただ、メーカーOPの設定は 2.5i Eyesight の方が断然多いので、スバル お勧めのバリューグレードは、この2.5i Eyesight ということになるのだろう。

ヴィヴィオ ビストロ スポーツ と D型レガシィ

「では、早速行ってみましょうか」と、今回、お世話になるセールスの方に声を掛けられて「よろしくお願いします」と頭を下げて、ドライバーズシートに乗り込んだ。

 そうそう、最近、スバルは「お気軽試乗DAY」なるものを定期的に催している。

 もう今更改めて書くまでもなくお気づきのことと思うが(笑)、私はかなり図太い人間で、興味が湧いたら買えもしないくせに ----- というかね、スバル以外のクルマを新車で買うことなんて天と地が引っくり返ったってあり得ないんだが ----- 他メーカーのディーラーにもすぐに足を運んで、カタログを頂戴した上で、うまくいけば、なんとか「乗せろ〜」と迫る、ディーラーにしてみれば 「見込み」 にもならないのに困った客である(笑)。

 しかし、クルマというものは実際に乗ってみなければ分からない。

 メディアがこぞって絶賛の嵐だったクルマに乗ってみて、怒りが込み上げてくるほどダメなクルマだと、私自身が感じたことも、1度や2度ではない。

 私はブランド物には全く興味がないし、だから割と無造作な格好で、いわゆる 「高級外国車ディーラー」 なんかにも出向いてしまうので、煙たがられることも多いのだが、長い目で見れば、結局、ディーラーが 「見込み客」 を自らツブしていっているように思える。

 試乗に来たお客が、そのとき買えなくたっていいと思う。そのときその人がそのクルマを「あ、ちょっといいな」と感じたら 「シメシメ」だと思うけどなぁ(笑)。

 スバルの場合、しつこい(?)年次改良で 「いいところ」 がさらに良くなることがほとんどなのだから。

レガシィ 2.0 GT DIT 誕生(2)

まあ、そんな訳で、今回、レガシィ 2.0 GT DIT の発売にカコつけて、「乗るだけでいいなら、乗り倒してやる!」と、地元ディーラーをハシゴすることに決めた訳である。

 果たして今回もとても面白い経験だったのだが、それがスバルだと全然苦にならないから、困ったものである(笑)

 お世話になった福岡スバル各支店の皆様のご厚意に心より感謝申し上げます。

 ありがとうございました。

今回のD型への年次改良で、EJ25型ターボを搭載する 「2.5GT Eyesight」、 EZ36型 水平対向6気筒を搭載する 「アウトバック3.6R Eyesight」を除く全車種が、新エンジン「FB25」、そして件の 「2.0 GT DIT」 が、シリーズ中唯一、 [FA20ターボ」 を搭載して、レガシィ シリーズ のエンジンは、ほぼ全面刷新されたといっていいと思う。

 「ショートストロークだから低速トルクがない」と、散々メディアが叩いてきた、燃焼室の ボア(内径) × ストローク(行程) は、EJ25 の 99.5 × 79.0mm から、 新エンジンである FB25 では、94.0 × 90.0mm となって、内径と行程が同一、いわゆる「スクエア」 に近づいた。

 まあ、このメディア や 評論家連中 が事ある毎に口にする 「低速トルクがない」 という、いささか 聞き飽きた 「お決まりのセリフ」 も、私に言わせれば、当たっているのは せいぜい 10年前 までの話だ。

 第一に、EJ型エンジンを搭載する BM/BR型 レガシィ は、リニアトロニックCVT という、すばらしいトランスミッションの恩恵もあって、掛け値なしで 「乗りやすい」 上に、上質である。現在、EJ25 の NA より、明らかに低速トルクがなく、そのためばかりでなかったとしても、乗りづらかったりイライラするような同クラスのクルマはゴマンとある。

 第二に、価格的に レガシィ と ライバル となるような ハイブリッド車 でも、メディア や 評論家ども の高評価 とは裏腹に、肝心の街中でのドライバビリティに問題を抱えているクルマも少なくない。

 第三に、所詮メディア や 評論家 といった連中は、「金の出所」 で その主張 を変える 「風見鶏」である。自動車メディア も 立ち読みで (笑)すべて 「購読」 しているが、もっぱらの関心は、どこのメーカーがその出版社なり評論家を 「飼っているのか」 ということに尽きる。

 第四に ----- これは、私のスバリスト歴 40年 の経験値 が主たる根拠ながら、自信を持って言える事で、その 「不易流行さ」 がまた大好きなのだが ----- 富士重工業 は伝統的に (?) そうしたメディア対策に掛けている 「お金」 は、基本的に他メーカーより少ない。

 それはともかく、そのEJ25 より、新しい FB25 エンジン の普段使いのトルクが向上しておることは、乗ってみればすぐに実感できることで、エンジン始動後の標準設定である 「インテリジェントモード」 で、前回感じた 「もたつき」 は全く感じなくなった。

 空いた街中でちょっとテンポを上げたい時でも、「スルスル」 ではなくて 「スッ」 と間髪いれずにアクセルのさじ加減にトルクが着いてきてくれる感じ。これが何より新しい。

 ストップ&ゴー主体の市街地走行で、動き出しに少ないアクセル開度で済むのだから、これは普段使いの燃費にも大きく影響してくるポイントだ。「チリも積もれば・・・」の理屈である。

 世界中の投機マネーが政情不安定な中東原油に流れていく中で、ガソリン価格は高値に張り付いたままだから、ターボの動力性能は魅力だけどハイオク仕様はなぁ・・・と考えていた人も、ぜひ乗ってみて欲しいと思う。

 大通りを右折レーンに入る。

 「ブルッ」 とエンジンが身震いして止まってしまった。

 「ゲッ!!」 私は前回に引き続き、またも思わず声が出て、今度は凍りついた。

 落ち着け〜 落ち着け〜 ダイレクトイグニションか燃料ポンプか・・・ おかしい・・・ 燃料ポンプはこの間燃圧計って問題なかったし、イグニションも替えてまだ1年だし・・・ 頭の中で、最近トラブルの兆候がなかったか懸命に捜し求める。

 「えっとですね。」 助手席に座っているセールス氏が落ち着き払って私に声を掛けた。

 私は ハッ と我に返った。

 「今回、インプレッサ に引き続いて、レガシィ にも アイドリング・ストップ が装備されたんですよ。」

 そうかっ!これは BC5 ではなかったのだっ!!またもや不覚を取ってしまった私・・・。

 恥ずかし・・・。

 右折信号が点灯して、ブレーキを緩めると、今度は絶妙のタイミングでエンジンは静かに始動して、アクセルを踏み込むと、レガシィ は何事もなかったかのようにスタートした。

 恥ずかし紛れに言っておくが、これは 「革命」 である。レガシィ に アイドリング・ストップ ! これだけで私は楽にリッター 2、3km は燃費を稼げる自信がある。


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