トミカ リミテッド ヴィンテージ ネオ 1/64 LV-06 スバル レガシィRS

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トミカ リミテッド ヴィンテージ ネオ 1/64 LV-06 スバル レガシィRS(3)

今回は、トミカ リミテッド ヴィンテージ ネオ 1/64 LV-06 スバル レガシィRS を紹介。

 上の3台のうち、セラミックホワイト と インディゴブルー・メタリック は 2007年7月 の発売で、もう発売から 6年 が経過している。

 へえっ!もうそんなになるかねぇ?どうりで私も齢を取る訳だ(笑)!

 ところで、トミカ の記念すべき スバル 第一号車 といえば、

トミカ 9-1 スバル R-2

である。

 オレンジの囲みに入った レッド のボディカラーに ホワイト の内装の 1台 は、非常に流通数が少なく、いわゆる 「マニヤ」 に珍重されている。

 私も当時、店頭で見た記憶がない。数知れず買ってもらった R-2 はすべて、グリーンメタリック に 赤の内装のものである。

 この レッド のボディカラー のものは、ミントコンディション(発売当時に店頭で買うことができた状態を保った、保存状態の良い個体)であれば、AUTOart の 1/18 が、10台 買えるかなぁ 〜 といった感覚。

 当時の トミカ には、香港製 もあって、こちらはさらに流通数が少なかったらしく、だから 「相場」 というものがない。

 この 香港製 で有名なのが、某 国産メーカーのスポーティクーペで、時々、それが 某 インターネットオークション に、箱なし、状態があまり良くないものが出てきたりするのだけど、そのお値段たるや、まさに 「驚愕」 である。

 この トミカ の 海外生産はごく短期で終了して、1994年まで、日本製トミカの時代が続いて、中国、そして現在では ベトナム製 が主流を占める、ということになるのだが、廉価で提供できることが大切な商品だけに、製造コストの低減というものは、トミー (現:タカラトミー)にとって、いつも切実なものだったに違いない。

 トミカ はそもそも 子供たちの 「友達」 となるべく生まれてきた ミニチュアカー だ。好きな クルマ の トミカ を親にねだって買ってもらい、箱から出して、最初のうちは目の前に持って行って、ためつすがめつ眺めているが、そのうち箱なんかどっかにいってしまう。

 やがて走らせているうちに、キズだらけになって、シャフトが曲がって真っ直ぐ走らなくなって、あちこちが欠け、割れて、そのうち飽きられ、捨てられる。そんな 「おもちゃ」 に、数十年後 「ミントコンディション」 を望むのは、所詮ムリな話なのである。

 本物の クルマ だって、金額は張るし、スパンはもうちょっと長いけど、同じだ。

 手で惰性をつけて、トミカ が自分の手を離れて、シャーッ と走っていくとき、あれ、トミカ のドライバーズ・シート には確かに自分が座ってるもんね(笑)。その時、自分は ガリバー で、小さくなって トミカ の中でステアリングを握る 「自分」 が走っていくトミカ を上から見ている。

 だから、クルマ好き が初めて運転するクルマは トミカ だったという人がほとんどなのではないか?

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だが、時は流れて時代も変わる。

 日本は少子高齢化の時代になって、ミニカーを買ってくれる子供の数が減ってきた。

 トミカ はこれまで何度かグローバル展開を試みてはいるが、方々で強力なライバルが存在するためか、成功していない。それは結局、廉価であることが大切な商品だから、輸出商品としては極めて 「利ザヤ」 を稼ぎにくいということもあるだろう。

 考えてみれば、商品の性格自体、その昔は町工場で作られていた 「ブリキのおもちゃ」 と 五十歩百歩 である。規制緩和で スケールメリット が 最高の武器 である現在、そういう 「町工場」 に生き残る術はない。

 ならば、目先を変えなければならない。多品種少量生産、ディティールに凝ることで価格を高く設定して 利ザヤ を稼ぐ。でターゲットは?

 「かつて トミカ で遊び、親しみを持っている世代」だそうです。

 って、いや 〜 ん! 私じゃ 〜 ん! でも 「やめて!」 って言えな 〜 い(笑)。

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トミカ の スバル について語るとしても、先述の R-2 から、1998年 の BH型 レガシィ ツーリングワゴン まで時間を下ってしまうので、スバリスト の立場から言えば、書く事は限られる。その代わり、色替え、ホイール替え、ディティール替えなどのバリエーションは数限りなくある。

だから、レオーネ の トミカ というのは存在しない。

 それは、スバリスト として 素直に 口惜しい ことだ。ただ、商品化の検討の俎上に上がったことは、少なくとも 1回 はあったらしい。

 それは、1977年4月、初代 A型レオーネ が、53年排気ガス規制適合 、50mm 拡幅される ビッグマイナーチェンジ で登場した際の、A33型 レオーネ 2ドア ハードトップGFT だ。

0昭和62年7月発行 講談社 ミニカー大百科 〜トミカコレクションのすべて〜

「磨きぬかれたものが、キラリ と光るのよねぇ」 という 大地喜和子 さんの 「アダルティ」 な雑誌広告で見た、大きく開けたブラウスの胸元を思い出して困ってしまうが(笑)、このあたりの私個人の 「思い入れ」(「思い込み」?) については、AMT 1/25 スバル ブラット で余すことなく(1万分の1くらいを)ブチまけているので、ぜひ、お読み頂きたい。

 木型で終わっているので、かなり早い段階で商品化は 「流れてしまった」 ようだが、まあ、それは 「スーパーカー・ブーム」 最高潮の折だけに仕方がない面もあるだろう。

 ただ、1975年10月、A型レオーネ が SEEC-Tシリーズ に移行して以降、排気量拡大による車格感が上がったことも手伝って、実は レオーネ シリーズ は月販 6,000 〜 8,000台 をきちんと国内市場で売っていた。

 まだ、北米市場で 年間 5万台 売っているかいないかの時代である。

 現在の インプレッサ、フォレスター の快進撃もかくや、の 「勢い」 があったのだ!

 だから、私は レオーネ が 「マイノリティ」 だった、という意見には与しないのだが、スケールメリット が活きる車種選定が重要な トミカ で、レオーネ が商品化の検討の俎上に上がったということも、それを裏付ける立派な 「根拠」 となり得るだろう。

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パッケージはこのような紙箱で、トミカ の血統を受け継いでいることをアピールしているように私は思うのだが、この中にはブリスターがあって、ミニカーはそれによって守られている。

 確かに手が込んだパッケージだけど、箱の 「耳」 の部分の ロック が、ギッチギチにできている中のブリスターの拡張作用で、ガッチリ噛み込んでしまって、ヘラのようなものをフタと耳のエッジに差し込んで、ロックをきちんと解除してやらないと開けるのが非常に困難だ。

 数が増えてきて、取り出して楽しもうかと思っても、このパッケージを無事に開けることの 「面倒くささ」 を思い出して躊躇してしまう。ここはちょっと改善の余地があると思う。

 「トミカ リミテッド ヴィンテージ」、「トミカ リミテッド ヴィンテージ ネオ」 というシリーズについて触れておくと、同じ タカラトミー でも、それまで 鉄道模型を主に手がけてきた トミーテック が送り出しているものだ。

 「TOMIX」 という商標の鉄道模型を見たことがある人も多いだろう。

 トミカ には、「トミカリミテッド」 というものもあって、こちらは、従来の トミカ の金型をベースに、塗装、ホイールなどの ディテールアップ を施したもので、これはこれで立派に存在価値がある。

 もちろん、「ヴィンテージ」 シリーズは、トミカ のこれまでの ラインナップ とかぶらないような車種選定をやっているようだ。

1990年5月発行 レガシィRS カタログ

「元ネタ」 は、左の 1990年5月発行 レガシィRS カタログ の 巻末 に掲載された RSタイプR のカットだ。

 だから、パッケージのイラストには、RS にもかかわらず、リヤスポイラーもないし、ミラーも黒色塗装仕上ということになっているのだと思う。

 こういう意地の悪い 「アラ探し」 も クルマ好き にとっては 堪えられない楽しみ のひとつである(笑)。

 ちなみに、このカタログは BC型 レガシィRS が、B型 へ移行した際のもので、この時から、RS のリヤスポイラーは LEDのハイマウントストップランプ内蔵 の リヤスポイラー に変更になっている。

 まあ、ひとまず突っ込んでおこう(笑)。

トミカ リミテッド ヴィンテージ ネオ 1/64 LV-06 スバル レガシィRS(22)

裏板は、やはり ハセガワ の 1/24 を参考に製作されたもののように感じる。

 「やはり」というのは、BC5 レガシィRS の TY75型ミッションケーシング って、ホントにこんなに角張ってないですから・・・。

 でも、よくできた先人に倣うことは、無闇に新規製作にこだわるより確かに賢いし、資料的見地からもそちらのほうが正確でいいと思う。だから、ハセガワ の レガシィRS が、どれだけ手間と時間をかけて丹念に製作されたのかが、改めて身にしみる。

 モデルの出来映えも素晴らしい。ウィンドウとルーフ、いわゆる 「グリーンハウス」 がちょっとばかり嵩が高いようにも感じるが、パキン、パキン、とエッジを強調した全体的なスタイリングは、私と BC5 はニコニコしながら 「ま、そうかもね。」 と見ていたかな(笑)。

 先述した通り、セラミックホワイト と インディゴブルー・メタリック の 2台 については、2007年7月 の発売で、ブラックマイカ の方が、2013年4月 の発売だった。

 これは IXO の 1/43 レガシィRSタイプRA でもそうなのだが、どうしてホイールがゴールドになってしまうのかちょっと理解に苦しむ。「コレがイイんでしょ?コレが?」みたいな製作サイドの声が聞こえてくるようだ。

 言っとくけど、全然よくないから。

 そうかと思えば、ブラックマイカ の方のホイール は、BC/BF型 レガシィGT の A、B型 のシルバー塗装仕上げを通り越して、1997年登場の レガシィ ランカスター のポリッシュ仕上げか?と思わず突っ込みたくなるような塩梅で、せっかく素晴らしい出来映えなのに、これだけで 「あ〜あ」 という感じになってしまう。

 他のものも随分買い揃えたけど、あんまりこういう 「齟齬」 は感じないだけに、なんとなく トミーテック の レガシィRS への 「想い」 が 「ま、そんなものなんだろうね。」 と透けて見えるような気がしてしまうのである。

だが、実は トミーテック の BC5 レガシィRS への 「想い」 はそんなに 「浅い」 ものではない。

 この BC5 レガシィRS は、よく見てみると、フロントバンパーが別部品で構成されている。他の ヴィンテージ でこういうものはあまりない。なぜ 「別部品」 なのかといえば、それは 「10万キロ世界速度記録挑戦車」 の存在があったからだ。

トミカ リミテッド ヴィンテージ ネオ スバル レガシィ 10万キロ世界速度記録挑戦車 Vol.1、2

私にとって永遠の 「ヒーロー」 である 高岡祥郎氏 は、BC/BF型 レガシィ の販売戦略企画立案の折に、「ストーリーがなければ売れません。」と答えたそうだ。スバル の モータースポーツ活動 をその始まりから牽引してきた 小関典幸氏 は 「新しく生まれてくる レガシィ に 『勲章』 を付けてやりたかったんだよ。」 と後に話している。

 「虎穴に入らずんば虎児を得ず」、あるいは 「獅子は子を谷底に蹴落す」ということであろう。

 ただし、親虎に見つかってこちらが食べられてしまってはいけないし、落ちたら死んでしまうような 「ひ弱」 な子供であっても、将来の 「大器」 になる見込みはない。

 だから、富士重工業 の 技術陣 も、20日間、ぶっ通しで 200km/h 以上の高速で EJ型エンジン、そして レガシィ が走り切れるように、渾身の力を込めて 「魂」 を吹き込まなければならない。

 かくして、レガシィ は、「失敗すれば終わり」、の 発売前 というタイミングで、見事に 10万キロ を世界中のどのクルマより速く走り切った。

 その時得た ミャーミャー と鳴いていたであろう 「虎児」 そして、谷底に落ちた獅子の子は、さらに WRC という 「世界の頂点」 でひたすら己を磨き上げ、FA型直噴ターボエンジン という新たな 「命」 を宿した。

 もちろん、その時、谷底に落とされた 子獅子 の名前は 「レオーネ」 である。

 ホントに立派になったこと・・・(涙)めでたしめでたし。

 この トミーテック の 「世界速度記録挑戦車 Vol.1、2」 は、その レガシィ の 世界速度記録挑戦 の只中にいた、4台 すべてをモデル化している。それだけではない。もし、あなたが スバリスト なら、必ず心の琴線を震わせられるだろう 「趣向」 さえ凝らされているのだ。

 現在までのところ、この 「10万キロ世界速度記録挑戦車 Vol.1、2」 が、トミカ リミテッド ヴィンテージ ネオ 唯一のボックスセットであることも付け加えておこう。

 これ持っていない スバリスト なんて、私は絶対に認めない。

 だから、「作り手」 の 「想い」 が、この レガシィ に横溢しているのは間違いない。

 「ならば」 という スバリスト としての 「想い」 は ・・・・・ やっぱりどうしてもあるんだけどねぇ 〜(涙)。

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